あなたに合った矯正治療を
一口に矯正治療と言っても使用する装置は様々で、
それぞれ特徴が異なります。
一般的な矯正装置を以下にご紹介しますので、
ご自分の症状と照らし合わせながらご覧ください。
マウスピース型矯正装置
(インビザライン)

取り外しできる透明なマウスピースを1日20時間以上装着することで歯を動かす矯正装置です。取り外しできるので、「ここでは外しておきたい」という場面にも柔軟に対応できます。またマウスピースは2週間ごとに交換します。
- メリット
- 透明なマウスピースを使用して矯正します。
そのため、ワイヤーや金具を使用した矯正に比べ、目立ちません。 - マウスピース矯正は取り外して歯を磨くことができるので、虫歯や歯周病を予防でき、口腔内を清潔に保つことができます。
- 透明なマウスピースを使用して矯正します。
- デメリット
- マウスピースは複雑な症例は治療期間が長くなる。
- マウスピースはストリップス(歯と歯の間を削って隙間を作方法)が必要な例が多い。
- マウスピースは装着時間が短いと予定通りの期間で治療が終了しません。
※インビザラインは完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
ブレース矯正

ワイヤー矯正(唇側矯正)は、歯に「ブラケット」という装置を取り付け、そこにワイヤーを通して少しずつ歯を動かしていく最もスタンダードな矯正法です。矯正と言えば、この方法が最も一般的です。
- メリット
- 最もよく行われている矯正法なので、十分な実績があります。
- 基本的に全ての不正咬合に対応可能です。
- デメリット
- 歯の表面にブラケットやワイヤーなどの矯正装置を付けるので、見た目が気になる。※1
- 矯正中は基本的に虫歯になりやすくなるので、注意深く歯のケアを行わないと虫歯が出来てしまう恐れがある。
- 矯正によって歯根吸収(歯の根っこが溶けてしまうこと)が起こってしまうことがある。
※1:クリアーブラケットやセラミックブラケットを使用すれば、多少目立ちにくくはなります。
プレートタイプ矯正

取り外しができるプレートタイプの矯正装置です。口の筋肉の力を利用して顎の成長を促したり、歯列を左右に拡げたり狭めたりすることで、不正咬合を改善する装置です。主に小児期の簡単な症例で使用することが多いです。
- メリット
- スケルトンタイプと比較するとあごを拡大する力が歯とあごの粘膜に分散されるので歯にかかる負担が軽減できる利点を持っていいます。
- デメリット
- ブレートタイプは装着時間が短いと予定通りの期間で治療が終了しません。
- ブレースタイプに比べて歯の移動に限界がある。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)

米国のアラインテクノロジー社が開発したうすい透明のマウスピース型の矯正装置です。
ワイヤーを使用しないため、見た目はつけているのがほとんどわかりません。ご自宅で治療を進めて行くことができることから1.5~3ヶ月の間隔の通院で治療が可能となり、見えない矯正治療、目立たない矯正器具、通院回数の少ない矯正治療をご希望される方におすすめしている矯正治療方法です。
※インビザラインは完成物薬機法対象外(薬機法未承認)の矯正歯科装置(医薬品)であり、承認医薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
矯正歯科治療の限界とリスク・副作用
矯正歯科治療の限界
矯正歯科治療のみならず全ての医療には限界があります。病気や症状が進行して治療が難しい状態になっている場合は、それらを全て完全に治すことができないこともありますし、また治療に使用する薬や医療器具には副作用や合併症が生じることがあります。
矯正歯科治療では歯並びや咬み合せの問題(不正咬合:ふせいこうごう)が大きい場合は、治療による問題点の改善が認められても、矯正歯科医や患者さんが考える「理想的」な状態までの改善は望めない場合があります。また、矯正歯科治療の効果の範囲には限界があり、矯正歯科治療による肩こりや頭痛、またその他の体の不快事項や痛みなどの症状の改善を期待することは慎重に考える必要があります。さらに歯並びや唇、顎、顔の外形の改善にも限界があり、矯正歯科治療によるこれらの改善に対する過大な期待は持つことには十分な注意が必要です。
以下に矯正歯科治療における一般的なリスクと副作用を説明します。矯正歯科治療を開始する前には、治療の限界、リスクと副作用を十分理解したうえで受診して頂くことが大切です。なお、これら以外にも個々の患者さんに特有なリスクや副作用の可能性もあるため、不明な点は治療開始前に主治医に確認してください。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクと副作用
- 矯正治療で歯を動かすことで、歯に痛みや違和感や、頭痛・発熱が起こることがあります。個人差はありますが、3日から1週間でおさまっていきます。
- 矯正装置が唇や舌、粘膜に擦れることで、口内炎ができたり、傷がつきやすくなったりすることが あります。
- 矯正装置を装着すると、歯磨きが複雑になり、磨き残しが増える傾向にあります。不十分な清掃状態が続くことで、虫歯・歯肉炎・歯周病に罹患しやすくなるため、自己管理と定期 的なメンテナンスの受診が必要になります。
- 顎間ゴムの使用や定期的な来院、その他の指導(MFT など)に対する協力が得られない場合、歯並びに影響がでるような習癖(頬杖や食事の際に片側のみで噛むなど)があると矯正治療が円滑に進行しないことがあります。
- 矯正治療中には、咬み合わせや歯並びが随時変化します。それに伴い、咬み合わせや顎の関節に違和感や痛みがでたり、一時的に歯並びが以前より悪くなったりする場合があります。
- 歯を動かすことで、歯根吸収(歯の根が溶けて短くなる)や歯の変色(神経の壊死)が起こることがあります。変色の原因はこの限りではありませんが、変色が軽度の場合には、矯正治療後のホワイトニングで改善できる可能性があります。
- 歯を移動させた際に、ブラックトライアングル(歯と歯の間の三角形の隙間)や歯肉退縮が起こることがあります。そのような場合、ブラックトライアングル等の改善を目的とした歯の形態や大きさの修正を行うことがあります。
- 必要に応じて、歯の形態の修正、咬み合わせの調整、歯の大きさの調整などを行う場合が あります。
- 歯の根が曲がっている場合や骨性癒着(歯と骨がくっついている状態)が起こっていると、歯が動かないことがあります。また、小帯(唇や頬にあるヒダ)の付着位置が悪かったり、骨隆起(歯を支える骨が膨らみコブのような形態になっている状態)があると、歯の移動を阻害する可能性があるため、矯正治療中にこれらを除去する処置が必要になる場合が あります。
- 接着型の矯正装置の場合、外れてしまうことがあります。外れてしまったときに、矯正装置を誤飲してしまう可能性がありますが、ほとんどの場合、自然に排泄されます。
- 歯が動くスピード、治療の難易度、症例、使用する矯正装置によって治療期間が異なるため、目安として記載している治療期間や診断時にお伝えする予想治療期間が前後する可能 性があります。
- 矯正治療中に金属アレルギーの症状がでる場合があります。
- 矯正治療終了時に矯正装置を外す際、歯に小さな亀裂や傷がついてしまう場合があります。
- 矯正治療終了後、保定装置を指示通りに装着していただけない場合、後戻りが起こることがあります。後戻りが起こる要因はこれに限らず、様々な要素が原因となり起こることがあります。
- 矯正治療前後に、被せ物治療をやり直す必要がある場合があります。(特に、マウスピース型矯正装置を用いた治療の場合には、治療途中に被せ物の形態が変化すると、マウスピー スが合わなくなるため、治療前の処置が必要です)
- 矯正治療前後に、被せ物治療をやり直す必要がある場合があります。(特に、マウスピース型矯正装置を用いた治療の場合には、治療途中に被せ物の形態が変化すると、マウスピー スが合わなくなるため、治療前の処置が必要です)